小夜曲~本と日々の暮らし

私に・・・あったこと、思ったこと、これからのこと。

8 多田野弘「語録2008」& 蝉取り

毎月、多田野さんから語録が届く。
ありがたいことと思う。
今月は、2008回目で「鈴木大拙に学ぶ人間学」がテーマだった。
「・・・私が戦場で死を決意できたのは、
日本的霊性ともいえる大和魂だったのである。
戦後も、毎年、元旦の海で寒中水泳を49年間、
93歳まで苦も無く続けられたのも、
ひとえに魂の導きによるといえる。
生を受けて以来
「宇宙の意志、大自然の力である神」によって生かされ、
しかも、
魂という大きな力を与えられていることに感謝せずにはいられない。


 まもなく100歳を迎える私は、
もう死を決意する必要がなく、すべてを神に委ねている。
大拙は、
90歳を超えて親鸞の「教行信証」の翻訳に着手するなど、
95歳まで生涯にわたって人間学を極めた哲人である。
私も、
大拙を見習って、生きている限り
「人間とは何か」について思索を深めたい。」


多田野さんの講演を聞きとても感動した。
そして出会えた。25年も前のことである。
高松に行くと、会社の近くのうどん店に連れて行ってくださった。
大変失礼なことを聞いたことがあった。
「こんなに大きな会社をされていると、怖いこととかに遭われたこともありましたか?」
「怖いこととは?」
「総会屋とか」
「来ましたよ。何時間でも相手が納得するまでやります。すると、タダノからは取れないと、来なくなりました。」
多田野さんの生き方が会社のありかただと、つまらぬ質問をした自分を恥じた。
なんという邂逅だろう。
ただただありがたく思う。


太一のサッカーを待っている間、5才のかずくんは蝉取り。
蝉を怖がりもせず、掴み、虫かごに入れる。
4匹も入れたら、蝉があおむけになった。「ばあば、蝉が寝た」
「蝉さんはすぐ死んじゃうんだよ。今逃がしたら生き返るかもしれないから、
逃がしてあげようか?」
「うん」
 と虫かごのふたを開けた。バタバタと4匹が飛んで行った。
「よかったぁ、蝉さん生きてたね。」
「蝉さんたち、喜んでるよ」
「でも、捕まえた蝉を太一に見せたかったなぁ・・・」


かずくんは、兄のことを”太一”と呼ぶ。
”お兄ちゃん”と呼ぶ日は来るのかな・・・

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