小夜曲~本と日々の暮らし

私に・・・あったこと、思ったこと、これからのこと。

69 吉川英治「われ以外みなわが師」& 浦和へ

ずいぶん前、
吉川英治さんのおうちに行かせていただく機会を得た。
文子夫人が、家にあげてくださった。
青梅というだけあって、梅の産地だ。
当時、文子さんは、梅を使った和菓子屋さんをされていて、
きれいで清楚な、梅の和菓子をいただいた。
あんこがきめ細やかで、甘みもほんのり、上品な味だった。


二階で仕事をしていた吉川英治さんから、原稿を受け取り、
編集者に渡すのは、いつも文子夫人だったという。
7年の歳月をかけて書き上げられた「新平家物語」の
最終原稿を手渡されたとき、泣かれた、という。
「おい、原稿濡らすなよ」
7年分の原稿の丈は、7才の娘さんより高かったという。


43才のとき、16才の文子さんを見初め、
文子さんは42才で未亡人となり、
その後、40年以上、吉川家の中心として、
吉川英治を世に広める活動をされ、2006年85才で亡くなられた。


今、どうなっているのかしら、と調べたら、
今年の2020年の9月7日を「英治忌」として、
青梅市吉川英治記念館がオープンしていた。
あのお家がまだ残っていることは嬉しい。


青梅が生んだ二人の巨匠、
河合玉堂と吉川英治。
二人一緒の写真も残っていて、
天才は天才を知る・・・楽しい時間だっただろうと想像する。
みなさま安らかに・・・

★今日はこれから、
 浦和へ行きます。
 もう4年も、毎年講演によんでくださるグループがあり、
 今年は、コロナで中止になり、
 私を元気づけるために、ランチのお誘い。
 喜んで伺います。

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