小夜曲~本と日々の暮らし

私に・・・あったこと、思ったこと、これからのこと。

171田中嫺玉「神の詩」& フランス芸術家の家

インド哲学をかじっていた私にとって、読みたいと思わせた本。
なんといってもバカヴァッド・ギーターを田中さんは長い時間をかけて
翻訳されたのだ。
尊敬します。

★明るい土曜日
 道路にでんとあったワイヤープランツが取り払われ、
 小さな庭のお仲間に入り、お水をあげたら、なんだかすぐにずっとそこにいたかのように
 存在していた。
 きっと、早く金木犀のそばに行きたかったのかも・・・
 道路はすっきりきれいになり、よかった。


 フランスの芸術家の家で暮らす人々のドキュメンタリィを見た。
 倉本聰さんの「やすらぎの里」のモデルかと思った。
 85才のピアニストは12キロ太り、「ここの食事がまずくて消化不良でよ」と豪語。
 「早く死にたい」という。
 88才の彫刻家は目がほとんど見えなくなり、それでも、手でわかる、とみんなと
 美術館へ行く。
 仏像を手で触り、「耳が長いね」という。
 目は開いているが、見えていないのだ。
 その時!
 父を思い出した。
 あの目は、父の目だ。
 晩年、白内障になり、88才で目医者さんへ連れて行ったが、
 「85才以上は手術しません」といわれた。
 おとうちゃん、目が見えずらく、不自由だったね・・と今更思った。
 もっと優しくしてあげることは出来たかなぁ・・・・


 2年前、父の在宅介護が2年以上になり、同時に夫の介護も必要となり、
 娘は内臓疾患のあるダウン症の子を産み、帝王切開の痛みと心の痛みを抱え、
 NICUにチューブにつながった美和ちゃんの元へ毎日通う娘の手伝いと、
 5才と3才の保育園の送り迎えと家事と食事の世話。
 片道17キロの道を日によっては2往復する日々・・・
 家に帰れば、夫と父の世話と、父の夜中のトイレ介助。ひどい時はトイレ夜中8回。
 あの頃、ほぼ寝ていなかった・・・
 認知症も深まり、2年前は本当に大変だったなぁ・・・
 わたしもぎりぎりだった。
 娘の前では明るく元気でサポートし、つい、自分の父に対してはなぁ・・・・
 やるだけやったと思うけど、
 もうすこし悟っていてもよかったなぁ・・・
 88才の彫刻家の目を見た時、涙が出た。


 後悔のないように、夫の介護、丸2年・・・がんばらなくっちゃ!

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