小夜曲~本と日々の暮らし

私に・・・あったこと、思ったこと、これからのこと。

11 津田真一「反密教学」& 辻雅榮さん(金沢の宝泉寺)

すごい本。
2008年に改訂版が出版された。
冒頭にこうある。
「・・・私の学問がその時点でどこに、どのようなものとしてあるにせよ、
 またそれがどこに向かって進んで行くにせよ、
 それは運命、単に抽象的な概念としての運命ではなく、
すでに一種の霊(ゲニウス、あるいはガイトス)的な存在であるところの運命の
目的論によって、多分最初から、そう決定されていたのだ、というのが、
すでに旧版『反密教学』の段階から一貫して揺らいだことのない私の信なのであり、
したがってこの数年間その『法華経』という特殊的なテーマに縛り付けられて身動きが出来ずにいる私の仏教学の今の状態も、また「反密教学」の「現在位置」を示すものに他ならないであろうと私は思惟するからである。・・・」



2006年8月、義母の葬儀で初めて口をきいた。
10月お彼岸のお中日、お寺での法要のとき、
「今度大阪の天王寺さんへ行きます」というと
「天王寺の愛染堂の住職が東大の後輩だから、尋ねるといいよ」と
びっくり仰天のことをいわれた。
まさに、その愛染堂にお参りに行こうと思っていたからである。
近松門左衛門の作品に、『賢女の手習い並びに新暦』があり、
’愛染堂の前で男女が会い、恋に落ち、愛染明王のご加護により、父の敵討ちをする’
という話だった。
愛染堂では、現住職にご案内いただいた。ありがたかった。
その後、津田先生の大学に潜り込み、なんども講義を聞いた。
津田先生の感性はわたしの魂を震わせた。
いくつもの忘れられない美しい話を聞いた。中村元先生の話、東大の銀杏、インドで会った人のこと、酒場での再会・・・お釈迦様と共にいたあの2年間は、至福の時間だった。


★かこちゃんが「人をつないでくれる明王さんの護摩があるからいきまっし」
 金沢の宝泉寺の辻雅榮さんが焚く護摩だった。
 護摩の後「今日は愛染さんの御縁日なので、理趣経で護摩を焚きました。」と
 愛染明王さんのお話をされた。
 「ええはなしやなぁ、みんなに聞かせたいなぁ…」23年前のことだ。


 4年たち近松が愛染さんを書いていることを知った。
 『賢女の手習い並びに新暦』だった。
 それからまた5年、遂に作品を世に出すことができた。
 宝泉寺さんでもやらせていただいた。9年の時間が流れていた。


 かこちゃんのおかげで、高野山参拝も参加させていただき、
 八千枚護摩もずっと参加させてもらっている。


 雅榮さんとのりこさん夫妻、宝泉寺さんに集うみなさまのお仲間に
 入れていただき、ありがたいと思う。
 雅榮さんがいる限り、卯辰山に登ります。かこちゃんに合掌

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